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同じ字を書くけど「楽(ラク)」の先に「楽しさ」はない。アリマのオタクサイ日記。
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腹を壊すほど(苦笑)
腹いっぱい昼飯のピザ食った後。

次に友人がかけてくれたのは斉藤晴六氏のCDだった。


斉藤清六
…懐かしい。
子供の頃に見た「欽ちゃんのどこまでやるの」の村の時間の時間のアナウンサーの人だったハズ。
「バイ・ナラ」「ナラ・イバ」の最後の挨拶が印象的だった。
…と、真面目に回想するのもアホくさいのだが(失礼)

以前から友人が「もの凄い破壊力」と言っていたのでとても興味はあった。

「歌というモノを通り越している」
とも。

なので想像するに
(きっと凄いオンチなんだろうなぁ)

と、初めは思っていた。



だが。

実際聴いてみると、想像を遥かに上回るとんでもないモノだったのだ。




オープニングにいきなり映画「未知との遭遇」のテーマが始まり、次に(ルパン三世の次元役や数多のナレーションでお馴染みの)小林清志氏のナレーションで幕が上がった。

どうやらこれは歌を集めたモノではなく、ドキュメンタリーCDのようだ。

小林氏の渋い声が(ムダに)緊張感を誘う。
切切と彼の「才能」をうたうその語り口は、さすがとしか言いようが無い。

そして流れる斉藤氏の歌。


曲はサザンの「勝手にシンドバット」。



──「今までに無い斬新な歌唱法は人々を戦慄させた」

小林氏のこの語りに首を縦に振らない者はおそらく誰一人いないだろう。


サザンの「勝手にシンドバット」が見る影も無い。
どちらかというとサザンの曲というより吉幾三の「オラ東京さ行くだ」に近い。
サビの手前部分まで一気に歌い上げて、途中で伴奏が出来てしまう歌唱法。
(←斉藤氏はコレをあえて「曲の作り」と言い張る)
そして、サビに合わせて再び歌う。


こんな技、見たことがない…。


戦慄

鳥肌

そして腹筋肉痛。


恐るべき破壊力だ。


某RPGの職業に「吟遊詩人」というモノがあった。
音楽や歌で攻撃して敵にダメージを与える役割だ。
ゲームの世界では美しい音が流れるのだが
現実では。



(!!!!?)
(…コレは…!!)
(歌、なのか!?)


確かにこの歌唱法であれば誰もが楽しく歌を歌えるだろう。

しかも「一度も聴いたことのない曲でも誰でも歌える」歌唱法だ。
そして聴く方も(あるイミ)楽しい…のではないだろうか。


──「」とは元来、こういうモノなのかもしれない


そう

何も伴奏に合わせて歌う必要はないのだ。
音階と声音を合わせる必要はないのだ。
歌詞のとおりに歌う必要は…(略)


「歌を歌として歌わなければいけない」
──誰がそんなコトを決めたのか?
教科の点数というモノはそんなに偉いのだろうか?

あらゆる世の常識を逸脱した
いや、常識とはそもそも何なのかを考えざるを得ない。

他人から下される「評価」というモノ。
それがどれ程確かなものなのか。


──自分達は『今日という日々の現実』を、『他人の評価』という不確かな危ういモノに翻弄されて生きてはいないだろうか?



そして
何故自分は──
コレを聴いて生真面目に哲学しているのだろうか…!?





このCDは主に、作曲家の故・宮川泰先生の所にアポなしで訪れたドキュメントで構成されているのだが、コレがまたスゴい。

プロに対してココまで堂々と己を出せる人間。
誠、尊敬に値する。
チキンハーツな自分は例え芝居でも無理な注文だろう。

作曲家先生のキツい指導。
打たれても打たれても…
否。
「打たれている」という事実が端からそこに存在しないような…

トシちゃんの曲を歌っても
ジュリーの曲を歌っても
メロディーと歌詞を耳で追わないと誰の曲かわからない歌唱法。
…つまり斉藤清六氏の歌には、それ程の破壊力がある。


指導という誠心誠意の努力が、ヤケクソという空気に変わる時。

諦め、そして放置。
…途中で投げ出すコトなら誰でも出来る。

諦めない、逆境を楽しむ。
…物事は捉えようによっては楽しいモノだ。

不快が快楽に変わる。
脳内ドーパミン大放出。
ヤケクソが行き着く先。
そこに待つのは達成感という心地良い疲れではないだろうか。
時には空回りでムダに疲れるコトもあるだろう。
しかしそれも物の捉えようひとつなのだ。


…つまりそういうコトなのですよね先生?
ぇ?深読みしすぎですか先生?
自分は何か色んなモノが麻痺してますか先生?





音楽というモノを根底から覆す斉藤氏の歌唱法。

そしてプロの音楽家であるがゆえの先生の指導。


──コレはドキュメントというより
一種の戦いの記録ではないだろうか。



そして
この凄まじい戦いの記録の傍聴者となった自分の…

自分の腹がこんなによじれて痛いのは何故だろうか…






今回の教訓:「風邪を引いている時に妙なBGMを流すのは窒息して死にそうになるので辞めよう」。








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